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給湯室で、社長専用のコーヒーを準備する。
芹沢さんの話によると、社長は服とかアクセサリーとか食べ物とかにはそんなに固執しないけどコーヒーだけは決まってコレを飲むらしい。
量り売りらしい縦長の袋に入れられたコーヒーは、袋の口を開けるとふわっと香ばしいいい匂いがする。
「うーん…きっと高いんだろうなぁ」
お湯を沸かして、コーヒーメーカーに注ぎながら、ついそんなことを呟いてしまった。
「お前も飲めば?」
「ひっ!!」
真後ろで声がして、思わずお湯が少しこぼれた。
「しゃ…社長ぉ。そのいつも突然な感じ、やめてくれませんか?!」
はぁ、と溜め息をつくと社長は、
「別に、お前が驚きすぎなんだろ?」
としれっと言った。
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