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「……」
まさか断られるなんて思ってなかったんだろう。
社長は怪訝な顔で暫く私を見つめた。
「…えっと…」
「何の用事だよ?」
「え?!」
「具合悪くても外せない用事って何だ」
ぇええ!!
優しげだった眼差しは、いつの間にか普段の厳しい目つきに変わってるし!
「それは、その…」
「…芹沢?」
「へ?!違いますよ!何でここで芹沢さんが出てくるんですか」
私は大きく頭を振った。
「と、とにかく。具合悪いわけじゃないですから!大丈夫ですっ」
大慌てで社長室を出た。
私、怪しすぎ。
でもこうなったら、野宮先輩にもう一度ちゃんと話してみよう。
先輩も鬼じゃあるまいし、わかってくれるはず。
そうして私は終業時間を待った。
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