トラブルの対処法

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私の声が聞こえたのか、先輩はフン、と鼻で笑うと、 「あ、もうここら辺でいいです」 と乗務員さんに声をかけた。 タクシーがハザードをつけて停車すると、先輩は千円札を幾つか出して支払いを済ませさっさと降りた。 渋々降りると、そこはオフィスに紛れて、そんな中で南国めいた植物で飾られた、何とも異様なホテルの前。 …何ココ。 拒否して逃げるとかそんなのも忘れるくらい、唖然。 「ここ便利なんだよな。嫁には仕事で△△町行くって言えば嘘になんないだろ?何だかんだで、出来るだけ嘘はつきたくないしな~」 ハァ?!…やっぱり最低。 ていうか、常連?妻帯者でしょうが! まだ見ぬ奥さんに同情していると、先輩がスッと私の手を取った。 「じゃ、入ろうぜ」 グッと、握った手に力を篭められた。 .
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