トラブルの対処法

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何の迷いもなくグイグイ引っ張っていく先輩に、慌てて反抗した。 「ちょ…っ、やめて!離して下さいっ!」 掴まれた手を振り解こうとすると、 「杏奈、前にも言ったろ?俺お前が好きなんだよ。嫁のことは気にしなくていいから、さ」 もう片方の手で今度は腕を掴まれた。 「ひゃ…っ」 両手の自由を奪われて、ビクリと身体が強張った。…ヤバい。先輩、本気だ。 「だっ…ダメ!嫌です!!」 自分の身体から一気に血の気が引くのがわかった。私がもがけばもがくほど、腕に篭められる力が強くなる。 「杏奈っ!」 「きゃ!」 先輩が苛立ったように声を荒げた次の瞬間、目の前にあったのは先輩の顔。 …キス、される!! 「ぃや……ぁっ!!」 .
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