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「あ、お帰り~」
ドアを開けると秘書席で本を読んでいる芹沢さんがいた。
「芹沢、お前余裕だな。店の準備ははいいのか?」
ジャケットを脱ぎながら、社長が応える。
「店長があんまり介入し過ぎると煙たがられるからね、適度な距離感保ってかないと♪」
私は社長からジャケットを受け取ると、コートハンガーにそれをかけた。
「杏奈ちゃんもお疲れ様。一件目の社長、話長くてまいったでしょ?大丈夫だった?」
ぎくり。
「はい、何とか。ギリギリセーフ…かな?」
同意を求めるようにちらっと社長を見ると、
「ま、いい経験になったんじゃねーの?」
社長はニヤリと横目で私を見た後、社長室へと入って行った。
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