13325人が本棚に入れています
本棚に追加
「コーヒー、淹れました」
こぼしそうになったコーヒーカップをテーブルに置く。
「あぁ」
社長は短く言うと、カップを手に取ってぐいっと飲んだ。そして、ふーっと息をつく。
「お疲れ、なんですか?」
「いや、ただの寝不足。こう見えて忙しいんだ」
「別に、暇そうなんて誰も言ってませんけど。そんなに眠いなら横になって寝たらどうです?」
憎ったらしい言い方に、こっちもつい言い返してしまう。
すると社長は少し間を置いてから、
「そうだな…そうするよ。15分経ったら起こしてくれ」
と言ってネクタイを緩めると、長い脚をソファーの端へ乗せた。
.
最初のコメントを投稿しよう!