13325人が本棚に入れています
本棚に追加
「解りました。では、失礼します」
お辞儀をして踵を返す。そしてドアに向かって歩き出す。
その一瞬。
「!…え?」
私は一歩を歩き出せなかった。
「な、何ですか?」
驚いて声をかける。
私の左手は…社長にしっかりと掴まれていた。
「社長」
「出ていかなくていい」
「え?」
「ここにいろ」
「へ?」
「いいからここにいろって」
社長は語気を強めると、私の左手をぐいっと引いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!