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序章
昔、酷いことを言ったことがある。
その時、その人は自分で息も録にできないくらいボロボロだったのに躊躇いなんて浮かんでこなくて
ただ他にやりようの無い辛さとか、怒りとかが次から次へと湧いてきて
その言葉で、その人が死ねば良いとさえ思った。
『なんでお前だけ生きてんだよ』
その時、その言葉が聞こえていたのかは、怖くて今でも聞けない。
だけど、自分の頭に鮮明に残ってる。
とても大事な人だったのに
大切な、家族なのに
どうして、あんなことが言えたんだって
こんなに愛してもらったのに
なんで、早く気付かなかったんだって
気づいた時には、もう遅くて
俺は未だに謝ることもできてない
『帰ってきたら話そう』
そう思って見送った人が、必ず帰ってくるとは限らないと、ずっと前から知っていた筈なのに
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