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一度、溢れたものを制御できない私の顔は、次第に涙でぐちゃぐちゃになっていく。
「もう一度・・・もう一度だけ会えるなら・・・素直に・・・好きって言うから・・・だから・・・私の前に帰ってきてよ・・・・真・・・」
「じゃあ、泣かずに笑顔で素直になってくれよ?俺、那波の涙に弱くて笑顔が好きだってこと知ってるだろ?」
私は幻聴でも聞いたのだろうか?
それとも空耳?
その声はもう二度と聞くことのできるはずがなかったはずなのに、その声は突然後ろから聞こえた。
私が振り返ると、そこにはもういるはずのないあいつがいた。
「よっ。久しぶりだな。那波。那波にとってはあの日以来かな?俺ももう一度だけ会いたかった。」
そう、私の目の前にいたのはあの日、私が素直にならなかったのが原因で命を落とした、宮田真(みやたまこと)だった。
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