第二章 再会

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正直、このまま近くまで乗っけてもらっても、当分は車の外に出たくない。 そんな気持ちであった。 「那波・・・先に那波を降ろすつもりだったんだけど、先に一緒に買い物に行かない?こんなに激しく雨が降ってたら、傘差してても差してないのと同じ。ずぶ濡れになっちゃうと思うわよ?」 確かにこの雨じゃ傘など無いに等しい状態になってしまう気がする。 ずぶ濡れの状態で会いに行っても恰好がつかないし、むしろあいつに余計な心配をかけるのがオチだろう。 「・・・そうね・・・先に買い物でも構わないよ。」 ちょっとそっけなかったかな?と自分の返事の仕方に後悔しながらもあいつの事ばかり考えていた。 隣で運転してる母のほうからは、「あらあら。お熱いことで」と言ってるのが聞こえた。 後部座席に座ってまともに見れない外を眺めている遊也は何も言わない。 遊也は遊也なりに気を使ってくれてることが分かる。 その後、三人で買い物を済ませて、私が行こうとしていた場所に着いた頃には、どしゃ降りの雨は上がっていて、太陽が大地を赤く染めて夕方を知らせていた。 「じゃあ、ここで大丈夫だから。先に帰ってて」 そう言って車を降りた。 車を見送ろうと思ったのだが、車が出る気配はなかった。 「ここで待っててあげるから、しっかりお話してきなさい」 母の言葉に驚いたが、私の中でスッと気持ちが軽くなるのと心が温まったのを感じた。 「ありがとう」 それだけ言って、私はある場所へ向かった。 そこは私が罪を背負った場所であり、あいつと最後に分かれた場所。 あの日、あの時、私自身が素直になってなかったら、何でもない場所であったかもしれない場所。 その場所には、本当なら何もなかったはずだったろうけど、今はそこには花束とお線香が置いてある。 「真・・・久しぶりだね・・・あれからもう4年くらいたっちゃうのかな?ごめん・・・会いに来なくて・・・ごめんね・・・つまんない意地はって・・・真の人生・・・奪っちゃって・・・」 目の前の風景がどんどん歪んでいく。 4年間ため込んでいた想いや罪悪感があふれ出てるせいか、ほほを伝う暖かいものを止められない。 呼吸が苦しくなる。 胸が痛い。 真に会いたい。 もう一度真に会って、素直に謝って自分の気持ちを伝えたい。
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