一日目 (2) 入口

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どれほど時間が経ったのだろう。 しばらくして我に返ると、一刻も早く部屋を出たいと考えた私は、事務所を飛び出した。 去り際に彼女の様子を伺うと、先ほどと全く変わらない、「笑み」らしきものを浮かべていた。 ここにいてはいけない。そう感じた私は、事務所を飛び出し、階段にむかった。あちこちにぶつかりながらも、大急ぎで走り、ビルを出た。 外の雪は止んでいた。 路面には、歩いてきた足跡が残っていないほど、雪が降り積もっていた。 急に寒いところに出たからか、頭に鈍い痛みを感じた。 外に出た寒さで、ポケットに手を入れる。 そこには紙切れが入っている。
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