一日目 (2) 入口

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おつかいに行くことを忘れないために入れておいた紙きれだ。 そこで、妻からの買い物を思い出すと同時に私は、現実世界に引きもどされた気分だった。 私はとりあえず、スーパーマーケットに行くことにした。 スーパーマーケットに行く道路はいつもと変わらない街並みだった。 いつもと変わらない現実が、先ほどの出来事を段々と薄れさせてくれるような気がした。 しかし、はっきりとあの出来事は私の頭の中で渦を巻いていた。 私にはすでに、あの事務所での出来事しか考えられなくなっていたのだ。
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