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そして、ぼぉーっとした頭のまま、スーパーマーケットでの買い物を終え、家にたどり着いた。
「今日はずいぶんと遅かったわね。何かあったの」
少し苛立った様子で妻が尋ねてくる。
居間の時計を見ると、二十三時だった。
普段は十九時には家には着いている。
スーパーマーケットに行ったからといっても遅すぎる。
どれほど長い間あの事務所にいたのだろう。
思い出したくもないことだ。
今はあの事務所に居たことを一秒でも早く忘れたかった。
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