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一方、正義が守を敬遠していたのは、成長期による親離れという理由もあったが、一番の理由が、学校で父がバカにされる事に恥ずかしさを覚えていたからだった。
しかし一連の事件に巻き込まれ、数々の正義の味方達の行動や言葉を目の当たりにしていくうちに、自らの考えが間違いであった事に気付いていく。
理想郷計画の野望が潰えると共に、田中家は平和を取り戻した。
だが事件は全て解決していた訳ではなかった。
人々を洗脳したESMはことごとく破壊されたはずであったが、城南警察署に押収された三つのアタッシュケース型ESMのうち、一つが何者かに持ち去られた事が判明した。
その行方は今だ謎のままであり、山下刑事はその行方を追う事に躍起になる。
そんな山下に、警視庁の須藤刑事は大人しくしているよう警告を促す。
須藤刑事が連行していたのは、惨殺された家族の復讐の為、数々の悪行を働いてきた、竜崎健吾であった。
今から護送に取り掛かろうとしている須藤刑事。その背中を見つめる守の目には、ある異常な姿が映る。
何とその身体は、黒い点滅を繰り返していたのだった。
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