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教室に入るとサクちゃんの元へと真っ直ぐ向かう。
「サクちゃん、昨日の帰りのことなんだけ……」
「……っ!」
サクちゃんは席から立ち上がると俺を無視するようにして教室から出て行く。
え……なに……なんで!?
また無視された……
避けられた……
なんで?
サクちゃんに無視された
その事実が俺にとってはすごくショックで……
「サクちゃん待って!」
理由を聞かずにはいられなかった。
「サクちゃん……!」
バタバタと廊下を走るサクちゃんを全速力でつかまえる。
「サクちゃん待ってよ!」
「離してっ……!」
腕をつかんだ瞬間パシッと弾かれた。
「ねぇサクちゃん……なんで俺のこと無視すんの……昨日の帰りイライラしてたこと怒ってんの?」
「……ちがう」
「じゃあなんで……」
「もう……ツラいんだよ……」
「ツラい……?」
「俺……昨日見ちゃったんだ……6時頃……ノート忘れたから学校に取りに行って……教室入ろうと思ったら……成瀬がいて……俺の……ハンカチとリップ持って……」
「っっ!!!!」
うそ……
いちばん見られたくない人に
見られてた………っっ!!!!
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