ニ章

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マンティコアと対峙し、大きな怪我を負ったタクトは、暫く意識が戻らなかった。 ユンファとクリス、そしてクリスに話を聞いたセラもタクトを心配し、新しい学園生活を迎えた慌ただしい時期にも関わらず、タクトの様子を毎日のように学園からの帰りに見に来ていた。 初めてセラがお見舞いに来たときは、意識が戻ってないタクトに包帯が大量に巻かれ、なにより左腕がなくなっているのには大きく驚いていた様子であった 「タクト来たぞ!……」 帰って来るのは暫しの沈黙だけ、まだタクトは目覚めていない それでもユンファは気にしない いつか目覚める親友を信じているから そして 「主達もきたのか、丁度良い」 ユンファたちの前には先客がいた 白髪の少年とタクトの唯一の肉親である祖父レイト・マーズ 「この度は、この忙しない孫を助けて頂き感謝する」 祖父は、白髪の少年、シガルドとユンファ達が揃ったところで、感謝の意を再度伝えなおした 「主達のおかげで、家族がいなくなることを食い止めることができた」 レイトはそう言うと、自分の孫であるタクトに優しいようでそしてどこか哀れむような視線を送った
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