三章

2/61
403人が本棚に入れています
本棚に追加
/347ページ
季節の変わり目で少し不規則な天気が続く時期の朝 「はぁ」 タクトは溜め息を吐き、あまり行く気になれない学園へ今日も向かった 以前ならいつも通り、ユンファと一緒に学園に向かっていたタクトだが、最近タクトはユンファとの学園での関わりを避けていた というのも習慣となっていたユンファとの朝の模擬戦闘を、施設から退院してから初めてやったとき、自身の怪力をうまく活用出来ず、その上、ユンファの実力が明らかに上がっており、大きな力の差を見せつけられてしまったため、後ろめたい気持ちになってしまったのも1つの原因 そしてもう1つは、入学式にしか来てなく、久々に登校してきたタクトが片腕を失って来たという事から、変に注目され、周囲のタクトに向ける目が見てわかるように変化してゆき、いたわるような、バカにするような、様々な思いが込められているであろう目に変わったこと その際、ファーストであるユンファが、セカンドのしかも片腕を失った問題児とレッテルをはられたタクトと仲が良いのを見られたら、ユンファにまで変な噂が立つかもしれないと思って避け続けている この二つの理由により、学園でも学園の外でもあまり関わらなくなった
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!