第一章 [黒木くんへ] ひとつめ

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 なんで言えなかったんだろう。  って、すごい後悔した。  そして、そうだ、手紙を書こう、って。  でも、今すぐは渡したくなかったの。  この思いを、ただの幼い記憶にしたくないから。  だから、校舎の裏に。 ―――黒木くんに言えなかった場所に。  手紙を、埋めたの。  “いつか時期が出来たら、渡そう”って―――。
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