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「三光鳥、早く開いて。」
子供たちは輝く瞳で三光鳥を見つめる。
彼が来るのを本当に心待ちにしていたのだ。
金色の鳥かごの中から昨日の夜の最後に捕まえた、薄紫色の本を取り出す。
三光鳥が本を開くと、それは再び鳥の姿を取り戻し、彼の肩の上で人の声で語りだす。
「名前のない国の物語。……それは、遠い昔のことだった。」
作者は初老の女の人だったのだろう。
少し深みのある声が鳥から聞こえ、ゆっくりと皆に語った。
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