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「アン。君はこの物語が本当に好きだね。」
アンは日の神の子供。
「だって、お姫様がでてくるんだもん。」と少女が言うと、深紅の鳥は、深紅の表紙の本へと姿を変える。
本の鳥は、鳥の姿となって自ら語るか、本の姿となって開き手に読んでもらうかのどちらかだ。
三光鳥は月に一度この3人の子供たちの為に、本の鳥を運んでいた。
本来は本の鳥を捕まえることは、作った人間達によって禁じられていた。
しかし、三光鳥にとって危険を冒してでも、子供たちに本を届けることは何にも代えがたい喜びだった。
三光鳥は、子供たちを育てるために3人の神から命を与えられたのだから。
「アン、ずるいよ。私だって、三光鳥に読んでほしい。」
「私も!」
前と後ろと横からギュウギュウと押されて、少し困った顔をした三光鳥は嬉しさを抑え込んで、「順番にね。」と優しく子供たちに言うのだった。
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