第一章 彼方からのもの

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キーンコーン カーンコーン 古臭い音のチャイムが、四限の授業の終了を知らせる。 ようやく昼休みになった。 ちなみにディープ・ワンには結局宿題は見せなかった。 陰険な数学教師、内藤───別名ザビエルに、ネチネチと嫌味を言われていた。 いい気味だ。 「よし!飯だ、飯!」 などと言いながら自分の机を僕の机につけ、朝に買ってきたであろうコンビニ弁当───○ーソンの袋だった───を取り出す。 「………何故お前は当たり前のように他人の机に自分の机をくっつけ弁当を食べようとしているんだ?」 「ぇっ………何でって言われてもな…友達だから?」 「何故疑問系だ………そして友達だからかはともかく、鬱陶しいからよそで食え。僕は一人で食べる」 そう言うとディープ・ワンは不思議そうな顔をしてきた。 「一人で食うより複数人で食うほうが美味いだろう?」 ………コイツは高校生にもなってそんな小学生みたいな事を言っているのか…。 「…………お前、バカだろ」 「え、何で?」 ……………はぁ。 自覚は無しか。 コイツを追い出すのを諦め、仕方なく自分も弁当を広げる。 今日の弁当はベーコンとほうれん草の炒め物、昨晩の残りであるハンバーグ、定番の卵焼きと野菜を少々。 少しばかり野菜が少ない気もするが、まぁ気にしない。 「お、相変わらずお前の弁当はうまそうだな」 「やらんぞ」 何か言う前に先に牽制しておく。 「………まだ何も言ってないジャマイカ」 「……なら貰うつもりは無いわけだな?」 「すいません、分けて欲しいです」 ホント面倒くさいな、お前は。
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