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………ふぅ、ようやく、語るべきことを語り終えたか。
やれやれ、面倒な役割なものだ。
「やや、ナコトさん、先ほどから一体誰に話をしていたのですか?」
「黙ってろこのクサレアホ邪神が。百回死んで生まれなおしてこい」
「相変わらず朝っぱらから信じらんないほどひどい暴言を吐きますね、あなたは………」
五月蝿い、僕はそういう人間なんだ。
今更分かりきったことを言うな。
「大体、急に出て来たから、お前が何物なのかさっぱり解らないだろうが、このマヌケ」
「いえ、あの、私は先ほどからナコトさんが何をしているのかが全く解らないのですが………………私が悪いんですかね?」
きっとお前の存在が悪いんだよ。
「存在そのものが!?…………何ですかアレですか?ナコトさんは私が嫌いなんですか?」
「………正直言って、好きでも嫌いでもないな。はっきり言ってどうでもいい」
「ガ────ン…………嫌いよりもショックですよ、それは……………」
とまぁ、これから語るのは、僕と不本意ながら、先ほどから僕の話し相手である、このクサレアホ邪神との物語だ。
その物語は、不可解で奇妙で冒涜的で名状しがたき恐怖と、いくつもの謎を孕んだ物語となっている。
これを読んだあなた、どうか真相を暴いて下さい。
それだけが私の望みです。
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