第一話

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ー文久三年 二月 とある一室ー 「…」 誰かがやってくる気配で目が覚める ヒュン カンッ まだ寝ている状態の自分に 向かって何かが飛んでくる 反射的に忍刀で払いおとし、 後ろに転がる 爪先立ちでしゃがんだまま 腰に着けている手裏剣を 相手に向かって投げた 「がっ!?」 避けようとしていた相手 だが、足元に手裏剣が刺さっていた為動くことが出来ない 「…まだまだだな、秋人 圓家の名が泣くぞ?」 「うるせぇ… お前が凄すぎんだよ」 戸の外から一人の青年が現れる 彼は忍の里、柳(やなぎ)で 長をしている圓 誠一郎(まわり せいいちろう)の一人息子、 圓 秋人(まわり あきひと)。 忍としては かなりの実力者だが、 まだ危うい所のある人物だ 「で? 私に何の用だ?」 「あ~っと… 長から呼び出し」 「な!? それを早く言え!!!」 秋人の一言で 私は慌てて着替え始める 「秋人!! 出てけ!!」 秋人を追い出すことも 忘れない 知られているとはいえ、 着替えを見られるのは いい気がしない。 …私が女だということを
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