六畳半

4/5
前へ
/5ページ
次へ
「ねぇ、私のこと、嫌い?」 あなたに聞いてみる。声が震えた。 あなたが私をそうしてる。 あなたは大きく首を横にふってくれた。それだけで、嬉しくて、幸せだった。 もう、誰にも渡さない。 親友の洋子にだって、村一番の美人のクミちゃんにだって。 私だけのもの。 私は気持ちを抑えきれず、 ぎゅっと抱きしめた。 手できつく抱き寄せる。 あなたの鼓動が体を伝って流れてくる 二人とも、体が熱くなっていた。 あなたは顔をそらそうとしたが、私は見つめ続けた。 ねぇ、お願い。私だけを見て 私はあなただけのものだから。私にはあなた以外見えない。 あなたの後ろにまわす手を強く引き寄せると、あなたはやっと動きを止め、わたしだけを見てくれた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加