依頼1 思い出の花

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戦闘はこちらが俄然優勢だ。 僧侶となったアルゼは 杖を空に高々と掲げ、 魔術を発動させる。 『降り注げ、光の矛!ホーリーランス!』 光や火に弱い ケイブレックスに、 魔術で生み出された 光の槍が無数に降り注ぐ。 うろたえながら巨大な魔物、 ケイブレックスは狙いを 奥で戦う二人に向けた。 「やばいぞ!あいつこっちに攻撃するつもりだ!」 「そうはさせるか!覇道…滅封!」 巨体を有り得ない早さで 動かし襲い来る ケイブレックスに、 抜刀剣士のアスベルは 見事な手捌きで剣技を放つ。 がしかし、怯む事なく ケイブレックスが アスベルに食らいかかった。 「ぐぁっ!」 「アスベルッ!!」 近くに杖を振るうアルゼが、 大ダメージを負う アスベルの名を叫んだ。 その刹那、フィールドの中で 闘気が弾けた。 『うああああっ!!』 「ソ…ソフィ!?」 「ティトレイ、ソフィのオーバーリミッツが発動したんだ!」 アルゼの説明が終わる頃には ソフィはケイブレックスに、 怒濤の連撃を浴びせた。 『双月、霊子障断、光翼…天翔!』 光の翼を帯びてソフィは 軽やかに着地すると、 体をかがめて更に 闘気を爆発させた。 『解放します……!必中必倒!クリティカルブレード!!』 全身から眩しい光子を放ち 飛び上がりからの かかと下ろしを繰り出すと、 ソフィは肩で息を切りながら 闘気を収めた。 「アスベル…、大丈夫…?」 「あ…あぁ、大丈夫だ…ソフィ…。」 「……良かった。」 よろけるアスベルに近寄り、 ソフィは安心の笑みを ほころばす。 倒したと思ったあの魔物、 ケイブレックスが再度 起き上がったと同時に ティトレイが叫んだ。 「あぶねぇっ!!よけろ、ソフィッ!!」 気配に体を構えるものの、 魔物の攻撃の方が 秒刻早かった。 「ぁああっ!!」 少女の体はまるで軽い ボールのように 跳ね飛ばされた。 受け身を空宙で 整える事が出来ず、 その体は無惨にも地面に 叩きつけられる。
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