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ティトレイは言い渡された
その情報を元に、
頭に記憶した
草花を思い出す。
「もしかしたら『クロソフィ』じゃねぇか?」
「えっ…?あぁ、そうだ。ここでもそう呼ばれているのか?」
アスベルの疑問に
ティトレイが
渋った顔を見せる。
「呼ばれているのかって…、おれの記憶じゃあそれしかねぇよ。」
「実は言うと…、ガルバンゾ国では知られてない花だから、依頼として出す時も心配だったんだ。」
「でもさ、良かったね。アスベル達が探している思い出の花に近付けたよ。」
僧侶となったアルゼが
不安だった依頼主の
背を軽く叩く。
が、しかし以前として
ティトレイの表情は
今ひとつ冴えない。
無口だったソフィが
それに気付き、
声をかける。
「ティトレイ、どうしたの?何か悪い事があったの?」
「いや…、それがよ…。」
「どうしたんだ?ティトレイ。」
再び不安の色を顔に表す
アスベルが尋ねると、
問いかけられたティトレイは
言葉を濁しながら応じた。
「このコンフェイト大森林に『クロソフィ』は、自生してないかもしれねぇ。」
不安が残念の色に変わる。
がっかりしたアスベルを
元気付けようと、
ティトレイはある可能性を
言葉にする。
「ないって訳じゃねぇよ!?ある可能性だって充分あんだからよ、な?」
「そう…だな。協力してくれてありがとう。ティトレイ。」
「お互い様だって!」
それから彼らは
大森林の奥に進みながら、
わずかな望みをかけて
思い出の花
『クロソフィ』を探した。
「ティトレイ、アスベル。この花はどうだろ?花びらもきれいな紫だよ。」
「うーん、ちょっと…違うかな。」
「『クロソフィ』は丸い花びらじゃねぇからな。アゼルの持ってる花は違う花だぜ。」
「そっか…。じゃああっちを探そう。」
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