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ピピピピッ
「……ん?…もう朝か」
目覚まし時計によって起こされたわたし、一ノ瀬 日向(いちのせひなた)。
「あ、今日入学式だった…」
半分寝ぼけながらも新品の制服を着る。
「日向ぁー、ご飯できたよー」
下の階からお姉ちゃんの声が聞こえてくる。
わたしは、両親を小2の時に亡くしてしまい親戚にわたしとお姉ちゃんは引き取られた。
けど、わたしが高校生になる頃にはお姉ちゃんは成人。
だから、お姉ちゃんと一緒に住むことにした。
わたしたちを引き取ってくれた、親戚の人たちもその事を認めてくれた。
「日向ぁー?起きてるの?」
お姉ちゃんがわたしの部屋まで来た。
「朝ご飯、冷めちゃうよ?まだ、入学式まで時間があるからってノロノロしてちゃ遅刻しちゃうよ」
「いま行こうとしてたんだよー」
なんて、雑談をしながらキッチンへ向かう。
「いただきます」
朝ご飯を食べていたら、ケータイが鳴り出した。
「…もしもし」
「日向、おはよ。よかったら、今日一緒に学校行かない?」
電話を掛けてきたのは幼なじみの井多美 美乃里(いたみみのり)。
家は隣同士。
「もちろん、一緒に行こ」
「それじゃ、家の前で待ってるから!」
それだけ話して電話は切れた。
「電話の相手、美乃里ちゃん?」
お姉ちゃんが電話を切ったことを確認してから聞いてきた。
「うん、今日の入学式一緒行こうって」
「そう」
朝ご飯を食べ終わり、空になったお皿をキッチンへ運ぶ。
「あとはお姉ちゃんがやるから日向は美乃里ちゃんのとこ行きな?もう、時間になりそうだから」
「今度はわたしがやるね?ありがと、いってきます」
そう言って靴をはく。
「いってらっしゃい」
お姉ちゃんが玄関までわざわざ来てくれた。
にっこり笑って家を出る。
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