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「なんですかその目。」
「よく帝国と教団の領地を渡れたね。教団はともかく帝国の領地に来る時は手続きをして、兵士と一緒にいると思うけど」
「あ、それわぁ~乙女の秘密です☆」
「………」
メルは競歩で歩きだした。
「待て待て待て!嘘です!秘密にしません!だから私を助けてください!」
競歩で歩くメルの足を掴んで泣きつくように言う。
メルは止まり、振り返って少女と向き合う。
「私、帝国からのお尋ね者みたいな感じで、手続きをすれば身元がバレちゃうんです。それだけは避けたくては…不法侵入をしたわけです」
「でもここは帝国の領地。どのみち、街に入るにも兵士がいるし旅人なら身元の証拠を提示しろと言われる」
そう冷たく突き放すかのように言えば逆に少女の目は輝いた。
「そう、そこであなたがやってきました。私を付き添いとして入れてください」
「無理」
「即答っ!?」
「どのみち身元確認をされる。それに付き添いって言ったら俺まで危険になる」
「あなたはこんなか弱い女の子を見捨てるんですか!?」
「うん」
「即答っ!!」
少女はがっくりと膝をついて落ち込む。
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