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扉の向こうからは話し声がして、領主の名前が聞こえていた。 領主は危険な状態だと感じればメルはトランプを構え、ミクは手に電気を宿し互いに頷く。 そして扉を蹴破り、 「領主様!」 トランプを兵士に投げて威嚇をする。 「なんだ貴様!」 「この街の住人だ!」 「私は違います!」 そこ真面目に言うべきなのかとメルはミクに思うがあえていわなかった。 「メル、来てはだめだ!帰りなさい!」 「……ふーん、お前がメルか」 後ろを振り返るといつの間に後ろにいたのか金髪のボブで金色の目に右耳に青い羽ピアスをした、メルと同い年ぐらいの男がいた。 明らかに他の兵士とは違う風貌。 兵士達の中で一番上の立場の者か。 「ねぇ、アーニャはどこ?」 ニコニコしながらメルに近づき、メルの母の事を聞く。 「……え?」 「オデュッセウスでもいいよ?あ、でもできれば二人一緒がいいなぁ」 オデュッセウスとはメルの父の事。 なぜいきなり二人の事を聞くのか。
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