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「父さんも……」
死んでいない。そう言おうとした瞬間、メルの肩に誰かの手が触れた。
見上げれば、父がいた。
目を見開いて驚く。
「ルーン様。お久しぶりですね」
「オデュッセウスこそ、久しぶりだね」
父は恐らく騒ぎを聞きつけて来たのだろう。
それにしてもタイミングが悪すぎる。
「狙いは俺ですよね。俺を帝国に連行するといい」
そう言えば、ルーンは兵士に目で命令をすれば兵士は父の腕を掴む。
「父さん!」
連れて行かれる父を助けようとトランプを兵士へと投げて爆発をさせる。
だが、ルーンが兵士達に当たる前にトランプをはじいた。
「驚いた。そんな技があるんだね」
爆発したトランプに触れるとニヤリと笑うルーン。
「大丈夫だよ。オデュッセウスを始末したら、すぐに君を迎えに行く。大丈夫。君は始末しないから」
ニコニコと笑ってルーンも部屋を出る。
だが思い出したように、指を構える。
「僕を、裏切るからだ」
指を鳴らした瞬間、また雷が落ちてこの屋敷以外が消し炭となった。
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