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「……」 目を覚ますと見慣れた天井。 木で造られた家。 自分好みに置かれた家具。 ここはメルの部屋。 メルは頭を悩ませた。 あの後なにがあったのか。 頭を抱えて思い出すと、思い出すのミクに殴られたこと。 相当痛かったはずだが頬にふれても痛みはない。 立ち上がって鏡を見ても痕は残っていない。 とりあえず、部屋を出て一階に降りた。 一階に降りると領主とミクがいた。 目覚めたメルに嬉しそうな顔をする。 だが、メルは眉を寄せた。 そういえば父はここにいない事を思い出した。 父は帝国に連れて行かれたのだ。 「メルさん、殴ってしまってすいません…」 「……いいよ」 頭を下げて謝るミクに顔を背ける。 怒っているわけではないが、目を合わせれなかった。 「メル」 領主がメルに椅子に座るよう促す。 メルは思い足取りで椅子に座った。
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