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「メル、止めてすまなかった。だがあそこで止めなければオデュッセウスとの約束を破ってしまう事になる」 「約束…?」 眉間に皺を寄せて聞き返すメルに、領主はただ黙って一枚の封筒を渡す。 メルへと書かれてる封筒。 父の字だ。 慌てて封筒を開ける。 ―メルへ、お前がこれを読む頃には俺はいないだろう。 今朝、爆発が起きてお前たちが街へ向かう姿を見た。 それで俺は今、この手紙を書いている。 帝国は、俺とアーニャ目当てだろう。 領主から税金の徴収をごまかしたと聞いた。 それは俺たちの事。 見ての通り、もうマジックショーなんてやってない俺たちは日々の生活が苦しい。 だから領主は俺たちを助けたが、すぐにそれが帝国にばれた。 ……何から話せばいいのかわからない。 そもそも、俺が何故マジックショーをやらなくなった訳を話さないといけないな。
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