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「父さん達は、マジックに少しだけ魔術を使うんです。より美しく見せるために。これは魔力を高める力があるペンダントです」 ペンダントを握りしめて祈るように父と母を思い出すメル。 そんなメルにミクはメルの肩を優しく触れる。 「俺、二人と違って魔力なんて微塵もないんです」 「だが、お前のマジックは…」 「そう練習しただけ。火を使うマジックなら火薬を多めに詰めたりしていたんです。」 「あなたは、お父様達に少しでも近づきたかったんですね」 素直に頷くメル。 ペンダントを握りしめるメルの手を、ミクは両手で握りしめる。 「帝国へ行きましょう」 ミクの発言にきょとんとするミク。 「帝国に行って、お父様を救いましょう。」 「君、帝国に行くのは…」 「たった一人の家族、でしょう?なら、救わないと」 ニコッと笑うミク。 それに答えるかのように手を握りしめてゆっくりと頷く。
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