天壌無窮

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パシンッと勢いよく開け放たれた障子から現れたのは、年相応な濃紺のセーラー服を着た女。 「何時間寝るつもり?もう昼過ぎよ?」 わざとらしい上目線でそう言い放つ彼女は慧(ケイ)。 “学校”に行ってないくせに何故かいつもこの格好で、飴色の髪は肩までの三つ編み。 「ねえ、頭痛薬ない?」 起き上がった途端、増した頭痛にかぶりを振る。 「具合悪いの?」 ケイは溜め息混じりに訊くけど、多分、大方の予想はしていたんだと思う。 「“食中り”かなぁ。頭痛いし、なんか怠い」 「ああ。あたしも何か今日は胃もたれ気味。繊細だからね~うちら」 一言多い気がしても言わない。
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