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くそっ、何かしらの仕掛けがあるのか!?
扉をくまなく見てみるが、隠しスイッチなどは見当たらない。
「まさか……旅の途中で魔王城の鍵みたいな必須アイテムを見落としたのか!?」
僕はゲームによくあるキーアイテムのことを思い出し、その場で膝をつき落胆した。
無理だよー。
今からまた戻るってなっても、この魔王城のある島につくのに船は途中で海の魔物に襲われて沈没したし、浮遊の魔法で最後の街まで魔力持たないし、転移とかできる高等魔術アイテムは魔王を倒した後に帰る為つかえないし、無理だよー。
もう無理だと挫折しかけた瞬間――
「勇者……これ……見て」
魔法使いがデカい扉の横の方の壁を見て指差す。
「そこにスイッチがあったか!!」
キーアイテムじゃなく仕掛けで扉が開かないんだと思い喜ぶ僕。
そして魔法使いの方へと走り、魔法使いが指差す壁へと視線を向けた。
「これって、スイッチはスイッチだけど……」
唖然としている僕に魔法使いが僕の言葉の先を続けて言う。
「インターホン……だよね?」
スイッチの横には「ご用の際はお呼び下さい」と表示がされていた。
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