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「なあ、お前は隣のクラスの〇〇ちゃんどう思う」
唐突に須田が私に話しかけてくる。〇〇ちゃんは私の通う学校では1、2を争うほどの人気がある。
「どうって言われてもな。確かにかわいいとは思うけど」
「そうだろ。あの笑顔見てたら、なんだかこっちも幸せになるっていうか」
隣で須田は〇〇ちゃんのことを笑顔で永遠と褒めちぎっている。
私は適当に須田の話を受け流しながら、〇〇ちゃんのことを考えていた。
いつもの須田とのやり取りだが、そのたびに私は危機感を感じた。
須田は、〇〇ちゃんのことが好きだ。それは、本人も言っているし、なんといっても毎日こんな話を聞かされるとますますそう感じる。
しかし、私も同じように〇〇ちゃんのことを想っているのだ。
須田がこの話題を私に投げ掛けてくる度に何だか胸が苦しくなった。
私は須田のように素直に自分の想いを口に出来るタイプではない。
「だからさ―――。」
須田は完全に自分の世界に入り込んでいる。永遠と続く〇〇ちゃんの話。よほど須田は〇〇ちゃんのことを気に入っているのだろう。
まあ、今に始まった話ではないが。
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