絶望の輪廻

最初の死

須田は私が自分の話を聞いていないことに気づいたのか、話を止めて鋭い目つきでこちらを見ている。

「おい、聞いてるのかよ」

須田が怒って、私の背中を軽く叩いた。

「悪い。ちょっと別のこと考えてた」

「まったく、

まあいいや。それでな―――」

須田は以前として同じ話題を繰り返している。ご丁寧に私に話し始めた最初から話を始める。

「あの笑顔がな、ホントかわいいんだよ。それに―――」

私が話を聞いていなかったと思っているために、もう一度話すことで彼女の良さを聞いてもらいたいのだろう。

毎日、同じようなことを言っているので、大体の内容はいつもと変わらない。

それに私も〇〇ちゃんの良さは十分に知っているつもりだ。

そうこうしているうちに、須田は私より少し前を歩きながら、例の交差点に差し掛かった。