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「付き合って」
それが出会ってから一時間。
まだ馬鹿だった俺は
「良いよ」
なんも考えてなかった。
どうせ金目当ての寄生女か、1日限りの遊びだと思ってた。
でも違った。
1年が経った。
そいつは、金なんて求めない。
それに優しい。
正直
幸せすぎる。
でもこんな可愛い彼女がなんで俺みたいな普通の男の元に来たかって?
聞いたさ。
理由を。
そしたら彼女なんて言ったと思う?
「電車でおばあちゃんに席を譲ってたから。最初告白した時は、真面目君に対して遊んでやろう、としか思ってなかったんだけど……いつの間にか惚れちゃった」
おいおい、それは偶然だろ?
俺の降りる駅、次だったんだぜ?
ようするに
大事なのは
例えそれが偶然でも、相手にとって良く見えるように、あること。
その話を聞いて以来。
煙草も酒もパチンコもやめた。
そんな俺に彼女はそっと口付けをしてくれた。
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