俺の休暇

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ドキドキした。 時々苦しくて、おさえる胸の中で鳴っているはずの心音が耳の奥でも激しく響く。 体中で、入ってくる知識と根底の理性と湧き上がる気持ちがぐるぐると回っている。 実際、それがどんなささいな事でもまだ知らなかった体と心に、彼の紡ぐ物語はたまらない魅力に溢れていた。 乾いた大地に雨が染み込むように、ただただ吸い込んでゆく。 ただ読む、という行為がエネルギーを総動員して行われていた。
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