第1話  悟州都町

5/61
前へ
/184ページ
次へ
私を助けるのはいいけど、ケンカはよくないと思ったのは私だけではなかった。クラスのみんなも少し引いていたようだった。 でも、数人の男子と女子が、 「何よ!健輔(けんすけ)だって他のクラスメイトにイジメて怒られていたのに、まだこりないの?」 「そうよ。」 付け加えて言い返す女子。「そっちだって、俺たちの邪魔ばかりしやがって!」 反論する男子。すると女子が、 「邪魔じゃなくて、注意。なんで注意が邪魔なの?」 すると、手拍子が二回聞こえてきた。 「はいはい。そこまで。授業始めますよ。」 先生だ。なぜかチャイムは聞こえなかった。きっと争い話でチャイムの音が遮断(しゃだん)していたのかも。改めて物凄い声だと、怖いクラスだと思った。 この先が心配になってきた。 すると私の窓辺の席に白い龍(りゅう)が左から右へと通り過ぎたのです。 あれは一体なんだろう。 と、私は心の中にそう呟いた。 ―――時は過ぎた。もう給食の時間。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加