第1話  悟州都町

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私と智美ちゃんの席をくっつけた。席は隣同士。このクラスは自由みたいだ。 でも、私には苦い自由席の思い出がある。 それはここに来る三年前。小学三年生の時、席は私には友達がいなかった。だから一人ぼっちだった。 本当の『友達』はなんなのか。一緒に話が出来る事?、悪さを一緒に出来る事?。私には『本当の友達』がなんなのかは分からない。 でも、一つだけ言える事がある。それは、イジメる友達は、『友達』とは言わないって事だけ。 そして、パンをちぎって、口に運んでいく智美ちゃん。 私は牛乳をストローで口に運ぶ。 「ねぇ、」 と、智美ちゃんが私に話しかけてきた。 「なに?」 と、返事を返すと、いいにくそうな感じで話してきた。 「自分のペット、いないって言ってたよね。何で?親に反対されているから?」 やっぱりきた。この質問。
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