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「そこまでっすよ!!」
何時の間に登ったのか、犯人がおばちゃんを人質に取った真横。
積み上げられたカップ麺の上に――
「サキ……?」
僕らサイキッカーズの仲間、渋柿咲が仁王立ちしていた。
どうでもいいが、下着が見え――無い。
下にハーフパンツを履いている様だ。
「僕のトキメキを今すぐ返してくれ」
思春期の少年――
その心はガラス細工の様に繊細なのだよ。
「あれ……? リョウじゃないっすか!」
「さり気なく僕を巻き込むな」
周囲の視線が僕にも注がれる。
卵を買いに来て、まさかこんな目に合うとは予想外だ。
「何をゴチャゴチャ抜かしてやがる!!」
メタボリック団の男が若干苛立ちを見せ始める。
ああ、人質がいるから指定爆破出来ないのか。
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