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室内に蔓延する香ばしい匂いが、二人の鼻を擽る。
堪らず生唾を飲み込み、誘われる様に近寄ってきた。
「――二人とも邪魔だよ」
煩わしさを口にすると、慌てて飛び退いた二人は――
大人しくリビングのテーブル前へ移動した。
調理に専念する事数分。
出来上がった料理を運び、テーブルへ並べた。
10畳のリビングは直ぐにニラの香りで満たされ、室内に臭いが残らない様、エアコンのスイッチを入れる。
まあ、暑かったというのも大きい理由なんだけどね。
「すっげぇ美味そう!!」
「堪らないっす!!」
――当然だよ。僕が作ったんだからね。
ずっと一人暮らしだった為、家事全般はマスターしている。
当然、料理もそれなりに出来る様になった。
食事を摂っていると、不意にチャイムが鳴り響く。
『宅配便でーす!』
インターフォンから聞こえた声は、いつもの宅配屋で――
玄関を開けると、段ボールを手に抱え、額に汗を浮かべていた。
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