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「ん……ここは?」
目覚めた僕は、周囲を見渡して状況を確認する。
中世ヨーロッパのコロッセオに酷似したそこは、明らかに自宅では無い。
――転送されたのか?
あの黒曜石にそんな仕組みがあったなんて――
正直予想外だったよ。
「――リョウ! 無事っすか!?」
僕の姿を見つけ、咲がこちらへ駆け寄ってくる。
外傷を確認し、無事だと分かると――
深くため息を吐いた咲。
「――ここは何処っすかね?」
「さあ……少なくとも――」
――地球じゃないだろうね……
頭上に昇る太陽は、何故か4つある。
そのどれもが眩く輝いており、コロッセオを明るく照らしていた。
「――ノゾムは?」
先へ問い掛けると、小さく首を横に振る。
先程の転送ではぐれてしまった様だ。
直後、僕らの視界に時空の渦が大量に現われ始める。
恐らく――
同じように転送されてくる者達だろう。
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