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福岡県立異能力研究所――
何故か”県立”という微妙な立ち位置にある此処は、超能力者が集まる研究所だ。
その中の一室、待機場所に当たる20畳程の部屋に僕は居る。
「リョウ! 今日の首尾はどうだ?」
僕を呼んだのは”前島 望(まえじまのぞむ)”。
僕と同じサイキッカーズに属する異能戦士だ。
180センチ程の長身に加え、甘いマスクと強気な性格。
イラつく程にモテるこの男。
「ノゾム。今日は幹部を一人やっつけてきたよ」
ニコッと笑って僕はそう答えた。
何故だかそれに顔を赤らめた望。
正直に言って気持ち悪いと思う。
「リョウ……お前は本当に可愛いな」
「ノゾム。僕にそっちの気はないからね?」
「ばっ……バッカヤロウ! 違うって!」
慌てて否定すると、本当にそう見えるんだよ。
自分で気づいていないのかな?
傍から見て”ホモ”だって。
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