冷たい怒り

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「どうぞ」 ブラッキーは紅茶をテーブルに二人分置き、いつものようにミュウの左隣に立つ。 真向かいに座っている人物はアーボック。ホテルや別荘も経営している、この町有数の大富豪だ。 高級感溢れるスーツを着、腕には宝石のちりばめられた時計と、見なりからもその裕福さが窺える。 「ああ、どうも」 出された紅茶を興味なさそうにちらっと見ただけで、カップに触れようとはしないアーボック。 「(……。)」 若干気になったミュウだが、話を聞くべく促した。
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