はじめて

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「全く。俺がイってねぇからって無茶すんなよな」 ぶっきらぼうだけど優しく、アーサーは言った。 「ごめんごめん、でもすごく気持ちよさそうだったよ」 「なっ、ばっ・・・!!」 顔を赤くして抗議する目の前の彼に愛しさをまた感じて、つい笑ってしまう。 「な、何笑ってんだよ!あーくそっ!お前なんか、こうだっ!」 そして塞がれる口。 柔らかくて、でも妙に弾力のあるもの。 そして、『近い』という言葉では表しきれない距離。 それがアーサーの唇だって事に気がついたのは、顔を赤く染めた彼が離れてそっぽを向いていたからだ。 「き、キスのときぐらい、目を閉じろよ」 ちらりと視線で訴えるアーサー。 「気をつけるよ」 またくすくすと笑う。 それにまた反応する恋人。 一言で表せば、幸せ、だった。
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