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「お前も、『国』なのか?」
金髪緑眼の彼は、アーサー・カークランドと名乗った。
これが人名で、本当の名前は『イギリス』と言うのだとも教えてくれた。
薄汚れたような灰色の髪と、黒い瞳の自分では釣り合わないほどアーサーは美しかった。
「・・・はい。まだ、『国』としての名前はありません」
「んじゃ、お前の事は人名で呼ぶ事にするか。何て言う名前だ?」
「・・・ヒュリオ。ヒュリオ・ヴァルケニア」
「ヒュリオ、か。これからよろしくな」
少し恥ずかしげに差し出された右手。
それを握って、微笑む。
ここから、アーサーを好きになるまではそんなに時間はかからなかった。
最初の印象からしてすでに魅力的に映っていたけれど、くるくると変わる表情は見ていて飽きなかった。
一度、見すぎているのを知られて、ばかぁ!と怒られた事があるから、程ほどに、だが習慣づいたそれを止める事はできなかった。
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