肉塊

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「一寸、外を見てくる」 さえは通販で買った座椅子に座ったままで、軽い寝息をたてていた。 林田徳之助はそのまま何も言わずに玄関に掛けてあった雨ガッパをはおると、急ぎ外に出た。        ・ 林田は雨風に強く押されながらも、海へと向かおうとしていた。 林田の家から坂を下ってしばらくのところに、一本の道がある。 アスファルト塗装はされているが、中央線もない狭い道だ。 それでも浅垣町の海沿いを走る唯一の道である。
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