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――何だ? あの変な音は。
それは林田が生まれてから一度も聞いた事の無い狂音だった。
その時、再び稲光が走った。
そして林田は見た。
黒くて巨大なものが、自分のすぐ目の前にそびえ立っているのを。
・
電話が鳴ったのは朝の六時前のことである。
森本裕介が眠たい目を擦りながら出ると、電話はおばのさえからだった。
「どうしたんだ? こんな朝早くから」
森本が問いただすと、さえが言った。
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